当事務所で、2年前に開業され、現在大忙しの介護タクシー事業者様から、新人介護タクシーさんの悪い噂話をお聞きしてしまいました。
介護タクシー業界で最もよく聞くトラブルは、「お客様を取られた!」という内容です。
これを読んだ方は、「そもそも、どのタクシーを選ぶかは、お客様の自由じゃないか!取った、取られたは、おかしいのでは??」と思われると思います。その通りなのですが、そこには、介護タクシー業界の特殊な事情があります。
介護タクシーは、車両1台の個人事業で開業される方がほとんどです。自分の顧客の予約時間が重複した場合、顧客が時間調整に応じてくれればいいのですが、それがむずかしい場合は、顧客を失わないために同業者にヘルプ(代走)を依頼せざるをえません。どの介護タクシーさんも、おおむね事情は同じですから、信頼できる仲間を作り、頻繁にヘルプのやり取り(助け合い)をおこなっています。このやり取りを円滑に継続するためには、お互いにヘルプで受けたお客様を自分のお客様にしない!という暗黙のルール(マナー)が必要になってきます。
そのマナーを理解できず、中には、ヘルプでいただいたお仕事なのに、そのお客様に自分から積極的に名刺を渡すなどの営業行為を行ってしまう方がいらっしゃいます。顧客を失うことは、予約制で営業する介護タクシー事業者にとって死活問題ですから、その噂は地域の介護タクシー事業者に広く知れ渡ってしまうことになります。
介護タクシー業界は、事業者同士の結びつきが強く、とても狭い業界だと思います。
地域のローカルルールもあるかもしれませんから、情報収集も大切です。同業者様と良好な関係を築いていってくださいね。